ぷもも園

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ケツデカ羅生門 第三話

雨は止む気配を見せない。彼方の山の端に一条の雷が閃光を残して消えた。丹塗の禿げ上がった柱にとまった1匹の蟋蟀が、頭に生やしたピアノ線のような触角を前足で撫でている。

ケツデカの耳は微かな足音を捉えた。泥を踏むようなぴちゃぴちゃとした水気を含んだ足音は、次第にこちらへ近付いてくる。こんな嵐の表に人間がいるだろうか。しかしここは無法で知られる洛外である。事実このような荒天は盗賊や人殺しの徒にしてみれば、その正体を知られにくいぶん格好の仕事時であった。豪雨のベールの中からこちらに走ってくる三人の人影がぼんやりと浮かび上がる。前には土方風の男二人、その後ろの襤褸を纏った男は明らかに浮浪者だ。いずれも五十かそこらの中高年である。

男たちはケツデカのいる羅生門の下に潜り込んだ。三人の泥だらけの体がここに辿り着くまでの悪戦苦闘を物語っている。男たちは某酒屋の印の入った酒瓶を提げていた。定めし雨のどさくさに紛れて土倉に忍び込んで盗んで来たのだろう。男の中の一人が門の片隅に積まれている板の山を持ってきた。おもむろに取り出したライターで火をつけると、雨の染み込んだ板切れがくすぶり始める。三人は濡れた体を火に当てながら酒盛りを始めた。ケツデカの存在に気がついていないが、太すぎる柱を四、五本隔てているのだから無理もない。さきほどハッテンしていた二人の男の影はいつの間にか消えていた。

「魔の羅生門2F」と呼ばれるこの山門の二階は恐ろしい。ポジが住む、カマホモが住む。そこはあたかも行きどころを喪ったホモたちの最終処分場の様相を呈している。事実この頃の洛中には羅生門の二階へ上がったら最後、余程の天運に恵まれない限り生きて還ることは出来ないとの噂が広がっていた。そんな無秩序に思われる2Fには実は全てを統べる大ボスが存在していた。彼の異名は「羅生門で死体食ってるババア」。越中褌を〆たガリガリに痩せたその鶏ガラ親父は、しかし体に似合わぬ巨大な逸物を持っているから掘られたいという志願者続出、この魔窟に迷い込むウケも少なくなかった。聞くところによればそのためにわざわざ田舎から出向く者も少なくないという話である。

土方たちの酒宴は続いている。そろそろ酔いが回った頃だろう。すると何を思ったか一人の土方がやおらに服を脱ぎ始めるではないか。あっという間に彼は地下足袋だけになった。気がつくと他の二人の男も殆ど全裸体になっている。それだけではない。男が脱ぎ捨てたツナギのポケットから取り出したのは大量のイチジク浣腸。三人は互いに三本ずつ入れあっている。
「やめて…キツい…」
ケツデカはこの後展開される阿鼻叫喚の地獄絵図を思い浮かべながらこう呟いた。しかしその後、ケツデカの目前に展開されたのは地獄よりも地獄的な光景であった。

数分ののち、法螺貝の合図よろしく叩きつけるような雨音に負けじとばかりの盛大な音声とともにひり出された糞によって、彼らの本当の宴が始った。泥まみれの体はみるみるうちに糞まみれに変わっていく。三本のイチジク浣腸によってブーストされた三人のケツからドバーッと噴射される糞によって焚き火は鎮火、丹塗の柱は跡形もなく糞色に染め上げられた。もう羅生門中糞まみれや。こうして大量に放出されたどかちゃんズ汁はケツデカの方にじわりじわりと押し寄せてくる。

外は大雨中は糞。文字通り背水の陣である。ケツデカはもはやこれまでと二階へと続く壊れた梯子を登って行った

(続く)

(後記)
あれこれ考えたあげく激爺のキャラがいまいち作りきれなくて今回登場させられなかったの許して亭許して。執筆に当たって筆者の激爺知らなすぎが露呈したので、頭を冷やして大人しく巨根バトル無修正本編でも見てきます。