ぷもも園

pixivに移行中(あちらなら気兼ねなくまんまん言葉を連発できるので)

ガバの木と海のある街で(連載第一回)

支離滅裂な文体の模索。。。

 

1章:GBAN the third~血塗られたガバとその数奇なる転身譚~

 

ガバの木というのを私が初めて知ったのはもう気が遠くなるくらいの昔、私が小学校に上がる前だからそれこそもう50年以上も前のことである。その奇妙な名前の木を教えてくれたのは祖父だった。祖父は長いこと高校教師をしており、定年後は生まれ育ったこの小さな街でひっそりと一人で暮らしていたのである。彼にとって私は一人しかいない孫であるから、一人暮らしの寂しさと相まって、私が祖父の家に遊びに行った時にはそれこそもう気が狂わんばかりに私を溺愛した。しかし私はこの溺愛に対して内心きしょい・・・(拒絶)という感情を抱いており、そうであるから私はこの祖父の家を訪れることがあまり好きではなかった。この日も、私は母に半ば引きずられるようにして祖父の家に連れられてきた。本当は私は家で見たいテレビがあった。それは毎週日曜日の午前10:00から始まる「家族が増えるよ!やったぜ。どかちゃん」というアニメでこれはもう私達の世代の子供にはカルト的な人気を誇っていた。岡山の県北を舞台に、見た目は53歳の少年が次から次へと登場する極悪非道な悪党たちと死闘を繰り広げるという内容のもので、その手に汗握る戦闘シーンと緻密な心理描写に虜になったのは私とて例外ではなかった。私はどうしてもこれが見たかったのだが、泣く泣く連れて行かれてしまった。あとから友達に聞いた話では、その日の放送にSSR級の超人気キャラクター、AZにゃんが出たということで私は一層この回を見逃したことが口惜しくなった。ともあれ私は祖父の住む家に連れて行かれた。

 

祖父「す た み な 太 郎 三 部 作って知ってる?」

私「知wらwなwいwよw ファンネル...(注1」

祖父「一部:すたみな太郎とガバのがばいばあちゃん、二部:すたみな太郎とじゃけんの石 三部:すたみな太郎アントニーの三本です。来週もまた見てくださいねじゃんけんPON!(茂美のあの音)」

私「このおっさんは・・・(呆れ)」

その時、私達の前に55歳くらいの奇妙な男が立っているのに気がついた。男はスーツを着ていて、奇妙な太り方をしていた。とってつけたような腹部。私はすぐにこの男の身長が162cmであり、体重が91kgであることを見抜いた。なぜならこの男の存在は祖父によってもう1年くらい前に知らされていたからだ。

 

その祖父が話してくれた話、いわゆる我馬氏伝説はこの地域に旧くから伝わる伝承であり、祖父が話す話の中では数少ない、面白い部類に分類されるものであった。

 

その話の舞台は194年1月9日にまで遡る。策謀により都を追われた貴族、我馬孔子(がばのあなこ)は普段は真面目で優しい人物であったが一度戦いが始まると「殲滅気持ちいい。命ちょうだい」と恐ろしい言葉で敵を蹂躙する戦乱ダディーに大変身するという。私はこの大変身というのがまるで正義のヒーローのようだと思って惹かれた。都から一路北へ向かった我馬は途中の不意の敵襲に見舞われ、命からがら小舟で沖に漕ぎ出でた後、長いこと漂流生活を送り、幸か不幸かこの街の港に漂着した。我馬は奇蹟とも言える生還を心から喜び、この地でこんな句を詠んだと言われる。事実、その港にはその句を刻んだ石碑が建っているからあながち作り話ではないらしい。

「がばあなの くだけししらなみ かえりみて わがたましいは あなにいにけり」

解釈するとまぁ以下のようになる。

 

まず冒頭のがばあなの、は一種の枕詞であると捉えて良いだろう。くだけししらなみ かえりみては我馬が文字通り陸に上がって海を振り返っていることと、その漂流の日々を振り返っていることの二つの意味がかけられている。さらにわがたましいは あなにいにけりからはその体験の恐ろしさ、そして敵と戦わずに逃げてきたことへの心理的呵責が伺える。

 

ざっとこんな感じである。なおこの句碑の横にはもう一つこぢんまりとしたのが立っていてこちらは江戸時代の歌人ゆうさく(デケデケデケ)(注2の作である。詳細は注にあるリンク先を参照願いたい。彼もまた我馬と同じようにこの地で命を落とした。しかし、二人が小さな、何もないようなこの土地に偶然にも流れ着き、そこで一生を閉じることになるとはなんの因縁であろうか。さて先に結末を話してしまったが先ほど幸か不幸かと書いたのは彼がこの地で思いもよらない難敵に出くわし、結局敗れて処刑の憂き目をみたからである。その熾烈で奇妙に耽美的な戦いの話はまた後で書くことにして今日はこの辺で筆を置くこととしたい。

 

 

 

 

 注1 OGRSYNインンタビューでのインタビュアーの語録。ファンネルってなんだよ(哲学)

 

注2 ゆうさくとかすでに懐かしさ感じるんでしたよね?最近ウリ専に復活したとかなんとか。彼を呼んで撮影すれば自分だけの素材を入手できる可能性が微粒子レベルで存在している?もともとは三軍くらいだったがスズメバチに刺されるネタで2016年に爆発的に流行、一挙に一軍淫夢ファミリーの座に躍り出た。流行ったのが2年前とか時の流れ早くなぁい?ちなみにデケデケデケはBGMくん迫真の主張。気になる人はほんへでも見て、どうぞ。肝心の句は以下のリンクから。